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●法人契約から個人契約へ 令和3年7月25日

今回は当初、法人で契約していたお部屋で何らかの理由で個人契約に切り替える際の問題について考えてみます。

基本的に個人契約になりましても、個人に問題がなければ個人契約に切り替えることは

特に差支えはありません。

ただし、貸主が個人の契約に不安を感じており、個人契約をしたくない場合はどうしたらよいでしょうか。

●貸主は個人契約を締結する義務はありません。

現在住んでいる方の生活などを考えると、なんとなく個人契約で再契約をしなければならない気持ちになることはありますが、法人との契約が終了した以上、誰と契約するかは貸主が自由に決められます。入居者と個人契約をしたくなければ、無理に契約しなければならない義務はありません。

入居者は契約の終了と同時に物件に居住する権利を失います。よって貸主は現入居者と賃貸借契約を締結する必要はなく、法人との契約終了と同時に退去請求できます。

●あくまでも法人が明け渡しの義務がある。

契約が終了したら、当然法人は物件を占有する権利を失います。入居者も同じです。

契約終了後も物件を占有する法律上の根拠がない状態になります。法人は契約終了と同時に物件をもとの状態にもどして、貸主に明け渡さねばなりません。その義務を果たさないのであれば、貸主は法人へ明け渡し請求と損害金請求、そして原状回復請求が可能となります。

●契約終了後は不法占拠になる?

入居者が立ち退いてくれない場合には入居者は「不法占拠状態」になり、貸主は入居者に対しても明け渡し請求が可能になります。

任意に退去してくれれば良いのですが、任意に立ち退いてくれない場合には明け渡し請求訴訟を行うことになります。

 

●個人契約でも問題はない?

個人契約に切り替えてもリスク管理ができればあまり問題はありません。

個人契約になった場合に一番不安に思うことはやはり家賃の滞納問題と思います。

個人契約に切り替える際には必ず保証会社の審査を受ることを条件とします。

保証会社で審査が通れば万が一滞納が発生しても、保証会社が家賃の立て替え、弁護士を使った立ち退きまで行ってくれます。また、保証会社への費用は契約時に入居者が契約することになり、貸主の負担はありません。

通常、保証会社への契約金は家賃の50%~とあまり負担感はありません。連帯保証人を立てるから保証会社とは契約したくないという方がいますが、このような方は逆にブラックリストに載っている可能性があり要注意です。

今の時代連帯保証人を立てることはたとえ身内でも、あまり良い気持ちではありません。連帯保証人を立てるくらいなら、保証会社にお金を払い保証会社を選択する方が良いという方が多く見受けられます。

この保証会社の審査(信用調査)が通れば、あとは個人の人間性に問題がなければ契約を切り替えても問題はないと思われます。

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